先週(10/14~10/20)は特別大きな経済指標も政治的な動きもなく、結果としては動きの少ない1週間でした。もちろん、その間にはそれなりに変動はあるわけで、最高値は約108.93円、最安値は約108.03円と最大幅は90PIPSになります。ただ、始値が約108.32円、終値が約108.41円と終わってみればほとんど変動はありませんでした。 ファンダメンタルから確認してみましょう。
・ファンダメンタル分析
この1週間は様子見の1週間でした。
先週から続く米中貿易の動きによって、前半は上がり続けました。ですが、10/15(火)に最高値(約108.93円)を記録して109円に届こうか、というところから下がり続けて、終わってみれば108.41円まで下がってきて終了です。この間、比較的影響の少ない経済指標や要人発言もありましたが、その影響がそれなりにあったのか、リスク回避が進んで今に至っているという状況です。
来週ですが、出来事としては、週が始まる前の19日(土)に、英国議会のEU離脱案の承認採決があります。これを書いている時点ではまだ結果が出ていないのですが、これが無事に終われば、直近のリスクは回避されたと判断されると思います。もう1つの懸案だった米中貿易についても、正式調印はされていないとはいえ部分合意に至っていることから、一時的とは思いますが、リスクが回避されたという空気は流れると思います。 それ以外の経済指標の発表も、来週は特別大きいものはありません。ただ、米国債の入札が立て続けにある上、それ以外の数も多いので、簡単に上がるとは思わない方が間違いないと思います。
・テクニカル分析
チャートとしては、先々週10/7(月)から上がり続けていましたが、10/15(火)の最高値から若干下がって終了です。形としては三尊天井(トリプルトップ)に近い形になっていますが、最後の下りが中途半端です。10/15に上がった分を10/16、17、18で戻っただけなので、ここからさらに下がらないと三尊天井とは言えないと思います。 ボリンジャーで見ると、10/15の最高値時が+σ2で、そこから下がって今が+σ1となっており、ストキャスティクスはだいぶ下がってますが、まだ買いサインは出ていません。逆にMACDは頂点近くまで上がった様子ですが、売りサインは出ていません、雲はちょうどクロスが入っていますが、106.8~107.2と見られる限り高めに判断しても、今の数値のかなり下になります。
先週末終わり間際の60分足も確認してみます。
ローソク足は10/17(木)22時台から雲に入り始め、丸一日、雲の中をうろうろしていましたが、10/18(金)22時台に下に抜けてきました。平均線と比べても明らかに下です。ボリンジャーでは-σ2を抜けてから少し上に戻ったところ、MACDはかなり下がり路線ですが、買いサインはまだ出ていません。ストキャスティクスは上下動が激しいのですが、最後の指標発表のタイミングで急激に上がっているので、それに合わせてもうすぐ頂点、という感じです。
日足で見ても60分足で見ても、はっきりサインが出ていないのは、この1週間が様子見だったからだと思います。ただ、はっきりしているのは、「現時点では」下りトレンドということです。ですが、60分足が平均線からけっこう離れているので、まずはそこに近づく(横ばいもしくは若干の上昇)方向で動くのではないかと思います。

・まとめ
来週の予想ですが、先週が上下動の少ない1週間だったので、テクニカル的な判断は難しいというのが本音です。あえて言えば今の108円台でレンジ相場が続く感じでしょうか。ここに、英国議会のEU離脱案の結果などファンダメンタル的なものがどう関わってくるかだと思います。ただ、EUの話はドル円に関してはそこまで大きな影響はないとみているので、それ以外に何が出てくるかがポイントではないでしょうか。現時点では米10年債が上向きでも、それに伴って上昇する雰囲気はなく、様子見感がとにかく強いです。リスク回避の動きが出ても長く続く感じではなく、かといって、なんとなくな上昇傾向があっても108円台を出ることはないと思います。
ファンダメンタル的な大きな要素で状況が変わらなければ、という前提ですが、レンジ相場になることを踏まえて、108.30~109.00範囲でナンピン売買がいいかもしれません。
※ここに書かれているのはあくまで個人的見解ですので、取引は皆様の責任でお願いいたします。
