先週(9/30~10/4)は結果としてはわかりやすい一週間でした。始値が約107.97円、終値が約106.88円と1円以上下がりました。ですが、その経過としては、10/1に最高値の約108.47円を記録し、そこから下がり続けて最安値の約106.49円を10/3に記録しています。これをファンダメンタルから確認してみましょう。
・ファンダメンタル分析
この1週間は、一言でいえば、アメリカ経済のリスクを思い起こさせた週でした。9/30~10/4の週は月初ということもあり、経済指標が盛りだくさんでした。最重要なところとして、ISM製造業景況指数(10/1)、ADP全国雇用者数(10/2)、ISM非製造業景気指数(10/3)、雇用統計(10/4)などです。ほぼ毎日何かがあるという状況で、結果としては、ISM製造業景況指数(↓)、ADP全国雇用者数(↓)、ISM非製造業景気指数(↓)、雇用統計(↑↓)という感じです。
発表前は米10年債も順調に上がっており、それを受ける形でドル円も上がっており、その結果として10/1(火)に最高値を記録したのですが、23:00にISM製造業景況指数の悪化が発表されて、一気に107円台に戻ってきました。ここで終わっていれば先々週と変わらなかったのですが、10/2(水)昼過ぎからリスク回避のためか、完全に下りトレンドになり始めました。それでもまだ107円台をキープしていたのですが、翌10/3(木)には106円台に入り始め、ISM非製造業景気指数(↓)で106円半ばまで急降下となりました。これ以降、空気は完全に下り模様でしたが、10/4(金)の雇用統計が思ったより良かったため、持ち直して終わっています。
ただ、最後の終わり方ですが、雇用統計発表の瞬間は一瞬下がったり不安定な動きをしており、一度、約107.13円まで記録していながらも、約106.8円まで下がってきてしまったところから見ると、やはりこの1週間でリスクを思い出したと捉えるべきでしょうね。
今週の経済指標ですが、数値の発表よりも要人発言がポイントかもしれません。10/8(火)と10/9(水)にパウエルFRB議長の発言があります。どちらも夜遅くになるので、「朝起きてみてビックリ!」みたいにならないように、その前に整理できればしておいた方が間違いないですね。また、米中の貿易問題も動きがあります。このままいけばトランプ大統領による対中関税の引き上げが10/15(火)に始まりますが、その前の今週10/10(木)に米中閣僚級通商協議が行われます。この結果によって、方向性が上下どちらになるか決まってくると思います。トランプとしては無理に急ぐ気もないようで、もし10/10に進展なく10/15に予定通り完全引き上げとなると、ドル安が一段と進むことになると考えられます。逆のパターンですが、関税引き上げが再度延期になるとしても、先週の動きでリスクを思い出した相場がどこまで上がるか、様子を見ていかないといけないところだと思います。
・テクニカル分析
チャートとしては、先々週9/25(水)から上がり続けていましたが、9/18と合わせてダブルトップになるか、というタイミングで急激に低下、むしろ、9/24以来のダブルボトムをさらに下る勢いです。最後の1日がかろうじて現状維持になっていますがヒゲが上下に長いので、どちらの転んでもおかしくないです。ボリンジャーで見ると現時点で-σ2ギリギリ、ストキャスティクスはいったん下がっての上がり途中、MACDは下がり途中、雲(106.2~106.8)はヒゲが上から下に入って本体はギリギリ戻っている状態です。
先週末終わり間際の60分足も確認してみます。
10/4(金)21時台の指標発表で+σ3まで行きましたが、その後、一気に下って平均線まで。MACDは上下動が激しくなっており、雲(106.8~107.2)はちょうど上にある状態です。ストキャスティクスは最後の指標発表のタイミングで急激に上がっているので、それに合わせてもうすぐ頂点、という感じです。
ローソク足(日足)で見ると、全体としては先に述べているように10/1(火)から下り坂ですが、最後の2日(10/3、10/4)は下ひげが長く、10/4は上下にヒゲが長く、本体はほぼ変化なしです。ある意味、どちらにも動く状態です。
・まとめ
来週開始の予想としては、この週末に何もなければ、静かなスタートになるのではないかと思います。米10年債は上向きですが、上については特に最初は動きにくいのではないかと思っています。
日足、60分足の雲がそれぞれ上下になっているので、どちらにも動くとは思うのですが、今週は要人発言の週と捉えるのがいいかもしれません。特にトランプ大統領が関わってくると予想のしようがないですが、米中貿易については注意が必要です。
※ここに書かれているのはあくまで個人的見解ですので、取引は皆様の責任でお願いいたします。
